地盤改良の費用が予想より高額で困っています。安く済ます方法は?
最初に言っておきますが。「それは無理な注文です。」
地盤改良は地盤調査を元に改良方法や施工深さ等を決定し、建物の規模や形状から施工数量が決まります。純粋に技術的な話で施工内容が決まる為にその内容をどうこうして安く上げるといった判断は原則出来ません。
しいて言えば地盤改良工事を複数の施工者で見積もりを取って競わす事で若干下がるかも知れません。
あと、十分に地盤改良工事を行うならば基礎工事が過剰な仕様になっていないかチェックしてみる事です。一般には基礎に関して変な神話の様な話があり、例えば、基礎は布基礎よりベタ基礎が良いとか、基礎幅は150mm以上が良いとか、基礎にハンチをとった方がいいとか・・・、まあ、いろいろな話がある訳ですが、専門家の立場から言えばどれも地盤改良の効果に比べると「50歩100歩」な話であまり気にしていません。
そもそも、地盤の問題を基礎で解決する事は無理な話で、高さ1mの鉄筋コンクリート造の基礎であっても地盤が悪い為にポッキリ折れていたケースなどにも中古住宅の耐震診断などで床下にもぐった際に遭遇しています。
地盤が悪ければ何をしても基礎は折れてしまい、地盤が十分に良好であれば、基礎自体は柱の受け材程度の部品でしかありません。
実際、十分な地耐力が確保できた場合は建築基準法上も鉄筋の入っていない無筋のコンクリート基礎としても良い事になっています。地盤改良を行うのであれば旧公庫基準程度の基礎でも十分でしょう。基礎仕様が過剰になっているならば調整してみても良いかもしれません。
「地盤改良の費用が予想より高額で困っています。安く済ます方法は?」
「考え方を変えましょう。「基礎」の基礎は地盤です。基礎の費用をケチっても地盤の費用はケチってはいけません。」
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追記 :地盤改良方法の種類や費用などの検索でこのページに辿り着いた方も多い様なのでチョット書籍をご紹介します。ご紹介する書籍は「ザ・ソイル[Ⅱ]」といいます。この本ですが住宅の様々な地盤調査・地盤改良方法のメリット・デメリット、標準的な費用、改良方法の選択の基準等がイラストを交え詳しく説明されていて地盤改良設計の入門書としてぴったりです。
- 作者: 藤井衛,若命善雄,田村昌仁,伊集院博
- 出版社/メーカー: 建築技術
- 発売日: 2002/09
- メディア: 単行本
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