お気楽☆建築士の住宅問答 blog

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住宅の基礎鉄筋センサーを使ってみました

住宅の基礎に鉄筋が入っているか確認するにはどうすれば良いですか。?

今年も市区町村の耐震診断シーズンがやってきました。耐震診断では基礎の診断も行いますが鉄筋の有無の目視での調査はなかな専門家でも難しいものです。

鉄筋の有無は耐震診断の結果や補強計画の策定に当然影響があり必須の調査項目ですが、住宅の耐震診断レベルでX線やレーダーなんて高価な機器で調査する訳にもいきませんのでお困りの方も多いかも知れません。

また、個人で高額な調査費用を払って基礎の鉄筋を調査するのも勿体無い。(その分の費用は補強工事とかに使いたいですものね。)

普段、簡単な耐震診断で基礎の鉄筋を確認する場合は床下を覗き込み、過去の防蟻工事や配管工事で基礎の一部を工事用の通路確保に壊してある箇所があれば鉄筋が露出している場合があって確認できますが、実際、目視確認できるのはその程度です。通常は建物の持ち主に聞いたり、図面を確認しますが、図面が無い・図面が有っても信用ならないなど、「鉄筋があるかも知れない」程度で予測して診断しています。

耐震診断では影響が少なくとも耐震補強工事では鉄筋の有無は工事コストに直結しますので、やはり耐震診断の段階でちゃんと鉄筋の有無を確認したいのが建築士としての本心です。

そこで私の事務所では壁の下地センサーを流用して使っています。壁下地センサー自体はホームセンターで1500円〜6000円程度で売っていますが事務所で使っている物はちょっとスグレモノだったりします。

事務所で使っている壁裏下地センサーは「ボッシュ デジタル探知機 DMF10 ZOOM型」です。価格は1万円程度でした。

(注・DMF10 ZOOM は廃番となりました。後継機種はGMS 120型)
ボッシュ デジタル探知機 DMF10 ZOOM型の価格・仕様をショップで確認

ボッシュ デジタル探知機 GMS 120型の価格・仕様をショップで確認

ボッシュ デジタル探知機 DMF10 ZOOM型」がホームセンターで売っている壁裏探知機と何が違うかというと、金属の探知深さが10cmとホームセンター物の5cmに比べ倍の深さまで探知可能な点です。(ドイツの壁はかなり分厚いとみたw)

基礎の幅が12cm以上で鉄筋がその中心にある事を考えるとホームセンターの壁裏探知機では探知深さが足りませんが「ボッシュ デジタル探知機 DMF10 ZOOM型」は探知深さが10cmですので余裕で鉄筋まで届きます。

基礎の中に金属の反応があればその連続状況や位置などで専門家なら鉄筋の有無は十分確認できてしまいます。専門家向けのレビューはこれで十分でしょうが一般の方が自分で基礎の鉄筋を確認する場合は少々注意が必要なので書いておきますね。

このセンサーは水気や金属に反応しますので探索対象が湿気ていたりすると誤って反応が出ますので注意が必要です。(基礎が湿っていると誤反応が出ます。)
また、基礎周辺では、施工時の釘やボルト、アンカーボルト、電線、水道・ガス管、モルタル壁の下地の金属ラスなどがありこれにもセンサーが反応してしまいます。一般的には基礎の鉄筋は15cm〜30cmの格子状に組まれていますのでこの格子の反応を探す事で鉄筋とその他の金属とを区別します。

格子の反応の出た位置にテープなどを張ると鉄筋の様子が解りやすくなりますのでお勧めですね。また、当然この「ボッシュ デジタル探知機 DMF10 ZOOM型」は木造壁の高性能下地センサーとしても使えますよ。

「住宅の基礎に鉄筋が入っているか確認するにはどうすれば良いですか。?」

「調査に求められる精度の程度で色々な調査方法が有りますが住宅程度であれば下地センサー等で十分に確認できます。」

追記:DMF10 ZOOM は廃番となりました。後継機種は「ボッシュデジタル探知機 GMS120」となります。鉄筋の探査深さが12cmに性能UPしたようです。

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