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お気楽☆建築士の住宅問答 blog

家創りからリフォーム・リノベーション、維持監理、生活の工夫まで気ままに書き連ねた建築設計士のブログ

基礎巾15cmの話

これから建てる家の基礎で基礎巾を広くしようと思うのだけどそれで強い基礎になるかな?

住宅の強さ自慢の話をするときに「当社の住宅基礎の基礎巾は12cmじゃなくて15cmです!!」などといった営業トークをよく耳にしますよね、一般的には巾の広い基礎は強いと捉えられているみたいです。

実際に巾の広い基礎は見た目に頼もしくて、何かで叩いたくらいでは壊れそうにありません。でも実際に基礎として強いのと一見壊れそうに無い様に見えるというのは意味がちがってきます。

建物の基礎はコンクリートの中に鉄筋を仕込み施工した鉄筋コンクリト造(RC)で造るのが一般的。

鉄筋は引っ張られてちぎられる力にとても強い材料ですが、細いと押し潰す力には簡単に曲がって折れてしまいます。また錆び易いといった欠点もあります。

かたやコンクリートは押し潰す力にとても強く逆に引っ張られてちぎられる力にはもろい材料だったりします。他にもコンクリートアルカリ性なので中の鉄などを錆びから守る働きがあるといった特徴もあります。

このように鉄筋とコンクリートは逆の性質を持っいてそれぞれをくみあわせる事で性能の良い建築部材となっている訳です。また、基礎幅を広く取るとその分鉄筋のコンクリートの被り厚さに余裕が出ますので配筋の施工誤差を吸収する効果があります。

ところで、基礎が折れる場合は基礎にどんな力が加わるか簡単に説明すると、基礎が谷型に曲がる場合は基礎の下半分は引っ張られ上半分は押し潰される様な力が加わります。また山型に曲がるとさっきと逆に力が加わります。この時、鉄筋は引っ張る力に抵抗し、コンクリートは押し潰す力に抵抗しています。基礎の上半分か下半分のどちらかが耐え切れなくなると基礎は折れてしまいます。

ここで最初の質問に戻ると基礎巾を広くしただけの基礎は押し潰す力には強くなりますが引っ張る力には強くはなっていません。つまり基礎の巾を広くしただけでは強くなったとは言い切れない事になります。

基礎を強くするのに巾を広く取ったならそこに仕込む鉄筋の量も増やしバランスを取りましょう。具体的には基礎上端と下端に太めの鉄筋が1本必ずはいっていますがこれを2本にするといった事を同時に行うことが大切です。

「これから建てる家の基礎で基礎巾を広くしようと思うのだけどそれで強い基礎になるかな?」
「鉄筋の量も同時に増やしてもらうと強い基礎になるよ。でもね、基礎を支えているのは地盤だから本当はそっちの方が大切なんだけどね。」

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