お気楽☆建築士の住宅問答 blog

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10月1日より住宅の10年保証の保険・供託が義務化です

住宅の10年保証について教えていただけますか?

住宅瑕疵担保履行法が10月1日にスタートしました。10月1日以降引渡し分の住宅から、これは今まで任意だった住宅の瑕疵の修繕費用を必ず保険なり供託なりで確保しておく事を工事施工者さんや住宅販売業者さんに義務付けるものです。これにより保証金や保険金で補修費用を2,000万円まで保障される様になります。

この法律の施行以前から法律上は壁や柱などの基本構造部分に欠陥があった場合は工事施工者さんや住宅販売業者さんが修繕費用を負担して修繕する義務があるのですが、工事施工者や住宅販売業者が倒産してしまったなどの場合は保障を受ける事ができませんでした。そこで2000年度からスタートしたのが住宅瑕疵担保責任保険ですが、あくまでも任意加入だったのを今回から義務化した訳です。

新しい住宅瑕疵担保履行法で担保する瑕疵=欠陥とは「構造耐力上主要な部分および雨水の浸入を防止する部分」です。簡単に言うと基礎と骨組みと雨漏りですね。原則として地盤は対象外ですし、仕上げなどの施工不良や不具合なども対象外です。また、住宅工事の完成前に倒産したケースも「瑕疵保険」の対象ではありません。これはまた別の保険に加入する必要があります。

住宅瑕疵担保履行法では「保証金の供託」か「保険への加入」により修繕費用を担保しますが保険か供託かで受けられるサービスが若干異なりますので家創りを予定している人は、業者さんなどにどちらを選択するのか、事前に聞いておきましょう。

保険の場合は保険会社が担保する為に工事施工時に保険会社の専門家による基礎や構造躯体などの検査が建築基準法の検査とは別に行われます。

また業者とのトラブルが発生した場合には保険加入の住宅なら、無料で「住宅紛争処理センター」の電話相談や、弁護士などの専門家との面談を受けることができます。それでも、解決できない場合は、1万円で「住宅紛争審査会」に調停を申し立てることができるようになっています。

なお、保険料は戸建て住宅で8万円くらいで掛け捨てです、当然住宅価格に上乗せされています。

供託の場合は紛争処理のサービスは無く、建て主さんに保障金が支払われるのは原則業者さんが倒産した場合に限られます。(保険の場合では倒産して無くても業者さんが対応をしてくれない場合などは建て主さんに支払われます。)

保障内容の印象としては保険の方が消費者保護の観点に立った制度に感じます。また、保険にしても供託にしても修繕の交渉や実際の修繕で対応してもらう必要がありますので、信頼の置ける業者さんを選ばないといけないのは今までと同じですね。


住宅の10年保証について教えていただけますか?

「10月1日以降引渡し分の住宅から、これは今まで任意だった住宅の瑕疵の修繕費用を必ず保険なり供託なりで確保しておく事を工事施工者さんや住宅販売業者さんに義務付けるものです。」

住宅瑕疵担保履行法【国土交通省】

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