お気楽☆建築士の住宅問答 blog

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訪問リフォームに撃退された話

この建物は布基礎なので土が剥き出しです。床下が湿気ってしまうので換気扇を付けませんか?

ちょっと昔の話です。建築士の実家とは知らず、また訪問リフォームの営業さんです。

「家のまわりが湿気ていて家の土台に悪いですよ床下換気扇を付けませんか?」と営業さん、

たしかに植え込みが茂りすぎて風通しが悪い。

「カビも生えるし、畳もすぐ傷みますよ。」

たしかに床下には若干カビが生えていてカビの匂いもするし、確か去年の梅雨には畳にカビが付いた。

「でも、換気扇を付けても外の湿気の高い梅雨時なんかに運転したら余計に湿気たり結露したりしないかな。そもそもカビが生息できないほどカラカラに床下を乾燥するなんて出来ないでしょ。それに冬に過剰に換気したら床が冷たくなっちゃうしねえ。」

「それは換気扇が自動で判断して最適な運転をします。それに床下にカビが付いていたお宅ではカビの匂いがしなくなったと喜んで頂きましたよ。」

(そりゃ、換気するんだからカビ臭はしないでしょ。)

「カビ臭がしない=カビがいないとは言えないし、そもそも、床下が過度に湿気が高くなるようだったら水はけや漏水の問題とか、地面から水が湧いてるとかの原因を解決するほうが先と思うんだけど。幸いこの家は高台にあって地面から水が湧く事は無いから水はけとかに問題があるかもしれない。」

「それが理想ですが費用がかかりますからねえ。」と営業さん

「そうだねえ、換気扇なんてタイマー制御付きので1台1万円〜1万5000円くらいだもんねえ。」と私

「・・・・」

「ん、もっとするの?」

「・・・・あの、いろいろとお詳しいようですが・・・。」

「あ、一応建築士ですから。」

「1級建築士さんですか。」

「いえ、2級です。(当時)」

「ああ、2級ですか。2級なら誰でも取れますな!!」

(なんでそんな話になるんだ?)

「今日は失礼します。」

「・・・・」

とまあ営業さんはお帰りになったのですが。後ろで聞いていた母が一言。

「あんた、はやく一級取りなさいよね。」

と、トドメを刺さしてくれました。床下の湿気については、家の周囲の植え込みを整理したり剪定したりで風通しを良くした後は畳にカビも生えていません。


「この建物は布基礎なので土が剥き出しです。床下が湿気ってしまうので換気扇を付けませんか?」

「換気扇を付ける事は全く効果が無い訳ではないけど、湿気の原因を解決しないと「いたちごっこ」になるから注意して。逆に原因を解決できたら換気扇はなくていいかも。」

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